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妊娠詐欺の被害に遭った際の対処法4選│手口と事例・相談先

妊娠詐欺の被害に遭い、対処にお困りではないでしょうか。

相手に「妊娠した」と言われたときは、事実確認や証拠を手に入れるなど冷静な対応が重要です。

本記事では、妊娠詐欺の対処法4選と、手口や実際の被害事例を解説します。相談先を参考に、被害回復を図りましょう。

 

妊娠詐欺とは

妊娠詐欺とは

妊娠詐欺は、「子どもができた」と伝えて、お金を奪います。

ターゲットが求められる主な費用は、以下のとおりです。

  • 妊娠検査代
  • 中絶費用
  • 治療費
  • 慰謝料
  • 休業損害

妊娠詐欺はお金を騙し取る狙いのほかに、結婚したい女性が恋人を繋ぎとめる手段としても使われます。マッチングアプリや婚活パーティーで出会った顔馴染みのない相手から騙されるケースが多く、注意が必要です。

交際相手や体の関係を持った人物から、妊娠を告げられたときは詐欺を疑ってください。

 

妊娠詐欺の対処法4選

妊娠詐欺の対処法4選

妊娠詐欺に遭った際の対処法4選は、以下のとおりです。

  1. 冷静に対応する
  2. 相手の連絡は無視しない
  3. 妊娠の証拠を取得する
  4. 事実確認ができるまでお金を支払わない

対応を誤ると、損害を受けるケースもあるため、対処法を知ることが大切です。対処法をヒントに、落ち着いて対応してください。

 

1.冷静に対応する

妊娠詐欺の被害に遭った際は、冷静に対応しましょう。

「子どもができた」と言われたときは、慎重に対処すると被害の拡大を避けられます。付き合っている相手から妊娠を告げられるとパニックを起こし、お金を支払ってしまうケースがありますが、すぐに金銭を渡してはいけません。

社会的地位を守るために早く解決しようと、相手の求めに応じる行為も危険です。詳しく調べずにお金を払うと、逃げられたり、あとから金銭を求められたりする可能性があります。

冷静な対応で、相手の不審点に気づき、被害に遭うことも防ぎましょう。

 

2.相手の連絡は無視しない

「妊娠した」と伝えられた場合、相手からの連絡を無視してはいけません。詐欺師とのやり取りをやめて中絶できる期間を過ぎてしまうと、出産にいたる可能性があります。

相手が子どもを産んだあとに「認知しない」と伝えても、裁判や調停などで強制的に認めさせられるケースがあり、危険です。連絡を無視し続けると誠意がないとみなされ、慰謝料の請求を受ける恐れもあるため、注意してください。

妊娠が事実かどうか確認できるまでは、連絡を続けることが重要です。相手からの報告を無視すると、自身にかかるリスクが高まるため、誠実に対応しましょう。

 

3.妊娠の証拠を取得する

妊娠詐欺の対処法の1つは、証拠を手に入れることです。相手から「子どもができた」と告げられたときは、安易に信じずに妊娠の証拠を求めてください。

ただし、陽性反応の検査薬やエコー写真は偽装もでき、簡単に信用することは危険です。子どもがいるかを間違いなく確かめるためには、妊婦健診への同行をおすすめします。

証拠の提出や、一緒に健診へ行くことを嫌がった場合、詐欺の可能性が高いといえます。騙されないために、自身の子どもかどうかの証拠を手に入れてから対応しましょう。

 

4.事実確認ができるまでお金を支払わない

子どもが本当にいるかどうかの事実確認ができるまでお金を支払わないことも、妊娠詐欺の対処法の1つです。妊娠の事実に焦り、お金を払ってしまうと、今後も金銭を求められるリスクがあります。

いち早い解決のためと、言われたとおりにお金を渡すことは危険です。さまざまな理由を付けて、追加で金銭を奪われるリスクがあると把握し、自身の子どもだと分かるまではお金を払わないでください。

毅然とした対応で、詐欺師にお金を奪えない相手だと判断させることが重要です。

 

妊娠詐欺の手口

妊娠詐欺の手口

妊娠詐欺でよく使われる手口は、以下のとおりです。

  • すぐに体の関係を持とうとする
  • 噓の妊娠報告で金銭を要求する
  • ほかの人物との妊娠を利用する
  • 夫を名乗る第三者が慰謝料を請求する

手軽に相手と出会えるサービスが普及しており、妊娠詐欺に遭うリスクも高まっています。詐欺師の手口を知り、被害を避けましょう。

 

すぐに体の関係を持とうとする

出会ったばかりで体の関係を持とうする場合、妊娠詐欺を疑ってください。性行為したのちに、「子どもができた」と言ってお金を奪うことが狙いです。

やり取りしている相手と考えが合うからと、すぐさま体の関係を持つ行為は危険です。マッチングアプリで女性との関係を目的とする男性は多くいますが、すぐに体の関係を持つと、妊娠詐欺の被害に遭うリスクが高まります。

避妊具を使わない性行為をすすめてくるケースもあるため、注意しましょう。性行為をして時間が経ったのちに、「子どもができた」と連絡してくる可能性があります。

よく知らない人物が体の関係を迫ってくる際は、お金が目当てであると把握し、相手を避けてください。

 

嘘の妊娠報告で金銭を要求する

妊娠詐欺の手口は、「子どもができた」と嘘をついてお金を求めることです。詐欺師はターゲットと体の関係を持って時間が経ったのちに、中絶費用や慰謝料を請求します。

相手の訴えを断っても、「職場にバラす」「家族に伝える」などと脅し、お金を払わせようとするケースもあり、注意が必要です。

子どもができた事実に驚き、相手の主張を鵜呑みにしてお金を払ってしまうことがあります。騙されないためには、冷静に状況を把握したうえで妊娠が事実かどうか確認し、証拠の提出を求めましょう。

 

ほかの人物との妊娠を利用する

妊娠詐欺では、ほかの人物との子どもを利用する手口もあります。相手は実際に子どもを授かっており、詐欺かどうかを見分けることが難しいケースです。

子どもが本当にいるため、エコー写真や診断書を用意し、「2人の子だ」と言ってお金を求めます。妊娠の証拠を見せられると、ほかの男性との子とは疑わず、信じてしまいやすい点に注意してください。

自身の子どもであるかどうか確認が必要ですが、正確な判断は困難です。交際相手に「妊娠している」と告げられ、事実だったときは、自身の子どもか確かめるために専門家への相談がおすすめです。

 

夫を名乗る第三者が慰謝料を請求する

夫を名乗る第三者から慰謝料を求められることも、妊娠詐欺の手口の1つです。

詐欺師は独身と嘘をついてターゲットと関係を持ったのちに、既婚者だと明かします。「家族に気づかれた」と言って、夫を名乗る人物がお金を要求するまでが詐欺の流れです。

詐欺師は第三者を利用し、話の信ぴょう性を持たせて、お金を奪う成功率を高めることが狙いです。体の関係を持ったうえ、妊娠させたことで、慰謝料に加えて中絶費用の請求を受けるケースがあります。

被害を避ける方法としては、第三者についての理解が重要です。弁護士は、相手の情報を開示できるため、詐欺師との関係や素性を調べられます。

第三者が現われてお金を求められたときは、専門家を頼り、相手の情報を集めてください。

 

妊娠詐欺の事例

妊娠詐欺の事例

妊娠詐欺の事例は、以下のとおりです。

  • 別れたあとに中絶費と慰謝料を請求する
  • 妊娠したと嘘をつきお金を騙し取る

実際に起きた妊娠詐欺のケースを知り、やり取りしている相手に当てはまる特徴がないかどうか確認してください。事例を把握し、被害拡大を避けましょう。

 

別れたあとに中絶費と慰謝料を請求する

妊娠詐欺の事例の1つは、別れたあとに中絶費と慰謝料を請求するケースです。

大阪市に住む経営者の30代男性は、付き合った女性と別れたのちに「妊娠した」と言われ、中絶費用と慰謝料を求められています。自身の子どもか不明でしたが、中絶費用として25万円を奪われました。

参考:妊娠詐欺!?別れて2か月後に中絶費用と慰謝料の請求│グラディアトル法律事務所

マッチングアプリでは、経済力のある男性を狙い、デートやプレゼント代などでお金を奪う詐欺師がいます。ターゲットからお金を貰えなくなると別れたあと、「妊娠した」と嘘をつき、さらに金銭を要求する手口を使用します。

出会い系サービスを利用するユーザーのなかには、恋愛感情を逆手に取り、お金を奪おうとする詐欺師がいると覚えておきましょう。

 

妊娠したと嘘をつきお金を騙し取る

妊娠詐欺には、「子どもができた」という嘘で、中絶費用としてお金を騙し取られた事例もあります。

新潟県の60代男性は、女性から「妊娠した」と何度も嘘のメールを受けて、中絶費用として114万円のお金を騙し取られました。

参考:「妊娠した」詐欺メールで114万円をだまし取る │上越妙高タウン情報

高齢男性の若い女性と出会いたい気持ちを悪用した詐欺の手口です。年を重ねてお金に余裕があったり、家庭を持っていたりする人物がターゲットにされるケースがあります。

「子どもができた」と言われると混乱してしまいますが、落ち着いて対処することが重要です。相手に妊娠の証拠を求めたのち、事実かを確かめてください。

 

妊娠詐欺の相談先

妊娠詐欺の相談先

妊娠詐欺の相談先は、以下の2つです。

  • 警察
  • 弁護士

詐欺師に騙されるとパニックを起こし、判断が鈍る可能性があります。すみやかに専門家へ相談し、被害回復を図りましょう。相談先によって対応できる内容が異なるため、自身のケースにあった専門家へ連絡してください。

 

警察

妊娠詐欺の相談先の1つは、警察です。相手に対して刑罰や、逮捕を望むときは警察への相談がおすすめです。

刑事事件として扱ってもらうためには、被害届の提出が求められます。事件性が認められると捜査が始まり、逮捕にいたるケースがあります。詐欺や脅迫に遭った証拠が必要であるため、相手とのやり取りやエコー写真などを残しておいてください。

ただし、警察は民事不介入の原則から、奪われたお金を取り戻す交渉はできない点に注意が必要です。返金を望むときは、警察に相談したのちに、自身に代わって犯人と対応できる専門家に頼ることを推奨します。

証拠と一緒に被害届を提出し、犯人逮捕を目指しましょう。

 

弁護士

妊娠詐欺の相談先は、弁護士が最適です。詐欺師とのやり取りや、手続きをすべて請け負ってくれるため、自身にかかる負担を減らせます。

弁護士は、照会制度を使った相手の素性調査が可能です。相手から出された診断書を病院へ照会すると、妊娠が事実かどうか明らかにできます。

被害者に代わり、詐欺師と示談交渉ができる点も、弁護士に依頼するメリットです。加害者との間に、弁護士が入るだけで相手へプレッシャーをかけて、穏便に済ませられるケースがあります。

被害者自身での示談交渉は、家族や職場にバレてしまうリスクがあり、おすすめできません。弁護士に示談や返金に関わる対応を任せて、リスクを避けつつ、被害回復を図りましょう。

 

妊娠詐欺の相談は当事務所へ

妊娠詐欺の相談は当事務所へ

妊娠詐欺の対処に関する不安は、当事務所へご相談ください。

被害を受けたとき、自身ですべて対応することは難しく、リスクもあります。すみやかな解決のためには、弁護士への依頼がおすすめです。

当事務所は、返金交渉に着手するまで費用がかからず、詐欺かどうか悩む場合も気軽にご相談いただけます。

妊娠詐欺の事案に詳しい弁護士が、不安に寄り添いながら解決へのアドバイスを行います。ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。